脳、脊髄、神経の病気
片頭痛Migraine
初め、脳の中や周辺にある血管が収縮し、そのあと過度に拡張するためにおこる血管性の頭痛です。
この片頭痛には、古典的片頭痛と普通型片頭痛の2つのタイプがあります。
古典的頭痛
頭痛の始まる前に目の前がちかちかする、視野の中心部や片側が見えない、半身にしびれや脱力感を感じるなどの前駆症状があります。
この前駆症状は15分以内におさまり、頭痛が始まります。
痛みはずきずきと拍動性で、頭の片側に感じるのが普通です。
痛みは前頭部、側頭部を中心に1~2時間でピークに達し、数時間~2日間くらい続きます。痛みのピーク時には吐き気、嘔吐をともないます。このような頭痛が反復しており、一ヶ月に数回におよぶこともあります。
疲労、不眠、ストレスなどがきっかけとなって頭痛が誘発されていきます。姿勢を変えたり、運動をすると痛みが強くなります。
患者さんは女性が多く、10~20歳代に最初の頭痛がおこり、以後、繰り返しおこるようになって、頭痛もちになります。血のつながった家族のなかにも、同じ頭痛もちの人がいることが少なくありません。
普通型片頭痛
痛み方、痛む部位、好発年齢のほか、女性に多いこと、家族のなかに同じ頭痛もちの人がいるなどの点は古典的片頭痛と同じですが、前駆症状がなく、頭痛の持続時間がやや長い点が、古典的片頭痛とは異なります。
治療
血管収縮剤を用い、過度に拡張した血管を縮ませます。
頭痛がひんぱんにおこる場合は、精神安定剤、血管の拡張を抑えるβ受容体遮断剤、鎮痛剤などを一緒に用います。
頭痛がひどくなる前に血管収縮剤を服用すると、頭痛がおこらなくなるか、おこっても軽くすみます。
予防
ひんぱんにおこる場合、薬を随時服用すると、頭痛に悩まされることなく、快適な生活を送ることが可能です。
しかし、これは、片頭痛に対する本人の理解が深まった段階で行う予防法です。自分勝手に行わず、必ず医師に相談し、その許可を得てから行うようにしてください。