のどの病気

習慣性扁桃炎Recurrent Tonsillitis

子供は扁桃炎にかかりやすく、誰でも年に一、二回は扁桃が腫れて幼稚園や学校を休みます。なかには年四回以上も扁桃炎にかかったり、症状が強く、一度かかると何日も熱が下がらなかったりする子どももいます。このような場合を習慣性扁桃炎といいます。

おとなでも、20~30歳代で習慣性扁桃炎にかかる人がいます。

原因

まだ不明な点も多いのですが、最近は扁桃常在菌(病原菌の繁殖を抑えるようにはたらく細菌の集まり)の乱れや病原菌(溶連菌、黄色ブドウ球菌、肺炎双球菌など)に対する免疫防御機能の遅れなどが原因の1つと考えられています。

治療

手術して扁桃を摘出すること(扁桃摘出術)がもっとも良い治療法だと言われています。手術すると9割以上の人が扁桃炎にかからなくなり、かかっても軽くてすみます。

手術は1~2時間程度で、全身麻酔で行うので痛みもなく、安全にできます。入院は7~10日程度です

 

扁桃炎にかかる回数は一般に成長するにつれて減少しますが、いたずらに薬剤などで抑えていたり、罹患回数が少なくても溶連菌抗体価が高い場合には、リウマチ性の病気や腎炎が続発する可能性もあるので、一度、耳鼻咽喉科に相談するとようでしょう。

 

かつては、扁桃は免疫臓器なので手術するべきではない、扁桃を摘出すると全身の免疫能が落ちて病気にかかりやすくなるなどの意見が一部にありましたが、現在では、このような心配はまったくないとされています。